SANUは、国内最大級のシェア別荘サービス「SANU 2nd Home」の新拠点「AMANAGI(あまなぎ)」を長野県東御市に開業したと発表した。これにより同社が展開するセカンドホームは全国38拠点242室となり、既存建築を再生して活用するリノベーションライン「Selection Series」としては17作目となる。
AMANAGIの企画・設計は、同社のインハウス建築チーム「SANU ARCHITECTS」が担当した。前オーナーが長年育んできた建築の価値を継承しながら、東御市の地形や気候、周辺環境との調和を重視して再構築したもので、多くの会員にとって「もう一つの家」となる滞在拠点として位置付けられている。
施設名の「AMANAGI」は、拠点から望む広大な景観の中で光と風が巡り、凪のような静けさに心がほどけていく情景を表現したものという。浅間山と湯の丸高原の間を吹き抜ける風や、刻々と変化する光の表情を感じながら過ごせる環境を特徴としている。
建築面では、東御特有の自然環境を読み解くことから設計を始めた。浅間山の裾野を見渡し、湯の丸連峰や高原に囲まれた土地は風の通り道として知られ、森や畑を渡る風によって景観や空気感が絶えず変化する。SANU ARCHITECTSは現地調査を重ねながら、そうした自然の揺らぎを建築空間に取り込むことを目指したとし、築35年を経た建物が備える高天井や大開口、連続する細窓、外部へと視線が抜ける構成、コーナーダイニングなどの特徴的な骨格を継承し、大規模な改変ではなく既存の魅力を活かす方向で改修を進めた。木材の質感やグリーンを基調とした配色など、建物に刻まれた時間の蓄積を感じられるよう、家具や内装の仕上げも必要最小限に抑えたという。
室内には、長野県の伝統工芸である内山和紙を用いた特注のペンダント照明を設置したほか、同じ和紙を積層して東御の山並みを表現したアート作品も採用した。地域文化や風景の要素を室内空間に取り込み、土地とのつながりを感じられる環境づくりを図った。
外構計画では、敷地内で長年育ってきた枝垂れ桜や菖蒲、紫陽花、ツツジなどの植生を一本も伐採せずに保存しながら庭を再設計した。新たに設けた焚き火スペースには、鳥や小動物が羽を休められるバードバスなども配置し、人だけでなく地域に息づく生物との共生を意識した空間とした。
SANUは近年、地域に残る建築資産や景観資源を活用した拠点整備を進めており、AMANAGIはその取り組みを象徴する事例の一つとなる。既存建築の記憶を受け継ぎながら土地固有の自然や文化を滞在体験に反映させることで、二拠点居住や多拠点生活の新たな選択肢としての役割も担うとみられる。
SANU
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